インタビュー

弁護士として活躍している卒業生に聞きました
川島 明紘
海陽学園2期生(2013年卒)
OneAsia法律事務所
海陽学園の卒業生は多種多様な分野で活躍しています。今回は2013年に卒業し、現在は弁護士として活躍されている川島さんにお話を聞きました。
まずは自己紹介をお願いします。
現在はOneAsia法律事務所にて弁護士として仕事をしています。主に建築・不動産分野のご相談対応(建築物の施工不良の問題や日射等を原因とする近隣紛争、不動産の取引スキームの検討等)を行っておりますが、株主総会対応や労務相談(従業員の雇用・解雇等に関わる相談)もお受けしています。ドラマ等のイメージから、弁護士の仕事について法廷で切った張ったする印象をお持ちの方も多いと思いますが、トラブルが発生したとしても法廷に行く前に解決することや、そもそもトラブルが起きないようにすることも重要な仕事で、イメージよりも幅広い業務を取り扱っています。
在学時はどのような学生でしたか。
当時の私は生真面目で頑固な性格の学生で、何事にも猪突猛進するタイプでした。一人で突っ走ることも多々ありましたが、そんな時に間違っていることを忌憚なく指摘し、できないことは助けてくれる同級生や先輩・後輩・フロアマスター等がいつも傍にいる環境は、今振り返ると私に合っていたのかもしれません。勉強一つとっても、効率の悪い勉強方法で成績が伸び悩み一人で抱え込んでいる私に対して、夜間学習の度に同級生が数人がかりで叱咤激励しながら勉強を教えてくれた時もありました。
また、当時はまだ海陽学園が創立したばかりということもあり、未整備な部分も多々ありました。私はテニス部に所属していましたが、雨のたびにぬかるむテニスコート(当初は現在のように整備されていない土のコートでした)を整備し、練習に励んでいたことは懐かしい思い出です。
海陽学園での経験が現在のお仕事に生きていることはありますか。
多くの仕事にも共通することではありますが、特に弁護士が必要となるような案件は紛争化している場合が多く、様々な立場の当事者との間で粘り強くコミュニケーションをとり交渉しなければならない場面が多くあります。感情的な対立が原因で紛争化している場合もありますし、多数の人が関係し問題が複雑に絡み合っている場合など、目を背けることなく問題解決に取り組む必要があります。海陽学園でも、同じ空間で生活している以上、他の生徒や時にはハウスマスター・フロアマスターを説得しなければならない場面に直面し、逃げずに解決しなければならないこともありました。この経験を通じて、他者と粘り強く対話することの必要性・重要性を学ぶ貴重な経験でした。
卒業後に感じる海陽学園の魅力はありますか。
働き始めてから一番強く感じるのは、海陽学園での6年間で構築された人間関係の多様さです。多くの学校では、似たような進路となる学生も多く、また人との関わり合いも同年代が多くなります。
一方、海陽学園の生徒の進路は極めて多種多様です。医学の道を志す者もいれば、芸術の道を志す者もおり、活動拠点も全国各地・海外にわたります。年齢を重ねるにつれ人間関係の幅は狭くなっていきがちですが、中学・高校という6年間を共に過ごした家族同然の距離感・関係性の仲間が多種多様な領域で活躍していることは、自身の刺激になり、視野を広げてくれる貴重なものになります。
また、海陽学園ではハウスマスター・フロアマスターとも長い時間を共に過ごします。彼らは、一般的な学生生活では関わることのない、社会の最前線で活躍する若手や豊富な社会経験を積んだベテランであり、在学時には、自分たちが数十年後になりたい姿を想像させ、翻って今すべきことを考えさせてくれる存在です。そして社会人になってからは、よき理解者・相談相手であり、時には共に働く心強い仲間になります。
このように、年代を超え、分野を超え、地域を超えた、多種多様でかつ強度な人間関係が構築されることは、海陽学園の大きな魅力の一つではないかと感じます。
最後に卒業生として、在校生や海陽学園への受験を検討している受験生にメッセージをお願いします。
【在校生へ】
海陽学園で形成される人間関係は極めて貴重です。ハウスの垣根を超えて、多くの同級生や先輩後輩、ハウスマスター・フロアマスターと話をしてみてほしいなと思います。
学園生活では、学園内の行事等で一生懸命になることが多いと思います。だからこそ、意識的に社会へ関心を向けてほしいと思いますし、特に社会人としての豊富な経験を持つハウスマスターやフロアマスターにおかれては、そのサポートをしていただければと存じます。
【海陽学園への受験を検討している受験生へ】
海陽学園では、多くの中学校・高校では経験することのできないことが沢山用意されています。まずは学校に足を運んで、在校生やハウスマスター・フロアマスター、先生と話をして、自分がこの学校に入ったら何をしたいか・どんな姿になるかを想像してみてほしいと思います。その結果、海陽学園の門を叩いてくれれば大変嬉しく思います。